リハビリをすれば、何でも元通りになる——そう期待してしまう気持ち、よく分かります。でも、正直に言わせてください。私たちは、“神の手”を持っているわけではありません。動かなくなった手を、魔法のように動かすことはできない。だからこそ、私たちには、別の大事な仕事があります。
きれいごとは、言いません
リハビリの専門職として、時には冷静に評価して、厳しいことも正直に伝えなければいけない場面があります。「ここから先は、取り戻すのは難しいかもしれません」と。
なぜ、はっきり言うのか。——嘘の希望(できないことを「できる」と言う)は、いちばん不誠実だと思うからです。期待させて、後で深く落胆させる。それは、本人のためになりません。
でも、ここからが本題です
「治せない」で終わりなら、私たちの仕事はありません。本当の仕事は、その先にあります。
今ある力(残っている機能)を、最大限に活かす。動かせる部分を、もっと使いやすくする。環境を整えて、できることを増やす。——失った機能をいつまでも追いかけるより、“今あるもの”で、暮らしをぐっと楽に、安全にする。これが、作業療法士の本質です。
だから私たちは、観察し、評価し、環境を見る。総合的に見て、「この人の暮らしを良くする道は、どこにあるか」を探します。
限界は伝える。でも、道は塞がない
私が、いちばん大事にしていることです。
「ここまでは、できる。でも、ここから先は、少し厳しいと思う」——言うべきこと、無理をしたときのリスクは、ちゃんと伝えます。それは誠実さ。でも、必ずこう添えます。「だけど、こうすれば、こういう別の道がありますよ」と。
🗣️ りはすけのひとこと
私は、完全に道を塞いで、その人の行く先に“穴”をあけることだけは、絶対にしないと決めています。限界を伝えることと、絶望させることは、違うから。
「もう無理です」で終わらせず、常に、新しい道を探し続ける。それが、私たちの仕事だと思っています。誠実に現実を伝える。でも、希望は手放さない。——この二つは、両立できるんです。
「もう無理です」で終わらせず、常に、新しい道を探し続ける。それが、私たちの仕事だと思っています。誠実に現実を伝える。でも、希望は手放さない。——この二つは、両立できるんです。
まとめ
- リハビリは魔法じゃない。“神の手”はない(嘘の希望は言わない)
- でも本質は——今ある力を活かし、使いやすくし、環境を整える
- 失った機能を追うより、“今あるもの”で暮らしを楽に・安全に
- 限界は正直に伝える。でも、別の道を必ず添える
- 誠実に現実を伝えつつ、希望は手放さない(→あきらめないで)
この記事はおうちリハの考え方をまとめた一般的な読みものです。回復の見通しや目標設定は、お一人おひとりの状態によって異なります。現実的な目標は、医師・担当のリハビリ専門職と相談しながら立ててください。