やさしい気持ちから、つい全部やってあげていませんか。服を着せて、立たせて、運んで——。でも、その“全部”が、本人の「できる」を、少しずつ奪っているかもしれません。大事なのは、全部でも、突き放すでもない。「その一点」だけを助けることです。

「やってあげる」が、できることを奪う

使われない力は、どんどん衰えます。立てるのに座らせ、歩けるのに運び、できるのに手を出す。——よかれと思った介助が、本人を弱らせ、結果、介護をもっと大変にしていく。これが、いちばん避けたい悪循環です。

“その一点”を見つける

かといって、突き放すのも違います。答えは、その間にあります。

「どこを助ければ、本人ができるのか」——その一点を見つける。膝を少し支えるだけで立てるのか。骨盤をちょっと導けばいいのか。背中に手を添えるだけでいいのか。全部やる前に、“いちばん少ない手助け”を探すんです。

💬 やってみよう いきなり全部手伝う前に、まず「どこまで自分でできるか」を見てみる。そして、つまずいた“その一か所”だけ、そっと支える。「全部やる」から「一点だけ」に変えるだけで、本人の動きがぐっと増えます。

足し算の介助、引き算の介助

同じ手助けでも、本人の力を“足す”介助と、“引く(奪う)”介助があります。

  • 引き算(×):今日着る服を選んで、袖まで通してあげる → 選ぶ・手を伸ばす・体を動かす…全部、本人から消える
  • 足し算(+):服は一緒に選び、袖を通すのは見守る → できる部分は、本人の力のまま残る

「できない部分は手伝う」——これは大前提です。全部を本人に、ではありません。できる所は本人に、できない所は手伝う。その線引きが、ポイント介助です。

🗣️ りはすけのひとこと ポイント介助のいいところは、本人も家族も、だんだん“コツ”を覚えていくことです。「背中をここで支えれば起きられる」と分かれば、次はもっとスムーズに。介助は、本人を衰えさせるためでなく、できる力を保つために使えます。
そして無理は禁物。「どこを助けるべきか」の見極めが難しい時は、ひとりで悩まず、担当のリハビリ専門職に一度みてもらってください。一緒に、その人だけの“一点”を探しましょう。

まとめ|ポイント介助とは

  • 「全部やってあげる」は、できることを奪う
  • 突き放すでもなく——“どこを助ければできるか”その一点を見つける
  • 足し算の介助(できる所は本人に)/引き算(×)にしない
  • できない部分は手伝う前提。見極めが難しければ専門職と
この記事はおうちリハの基本的な考え方をまとめたものです。どこを助けるべきかはご本人の状態によって異なります。無理はせず、個別のことは医師・ケアマネジャー・担当のリハビリ専門職にご相談ください。