介護認定の調査の日。普段は痛がって動けないはずの親が、調査員さんの前では急にシャキッとして「できますよ」「大丈夫です」——。横で見ていた家族は「えっ、いつもと違う…!」と、ヒヤヒヤしますよね。
これ、実はとても“あるある”。そして、本人を責められない理由があるんです。
これ、実はとても“あるある”。そして、本人を責められない理由があるんです。
なぜ、“できます”と言ってしまうのか
普段はできないのに、できると言う。痛みに耐えているのに「大丈夫」と言う。——その裏にあるのは、たいてい2つの気持ちです。
- 自尊心:人前で、自分を少しでもよく見せたい。情けない姿を見せたくない。
- 羞恥心:「自分はまだできる」「人の世話になんてなりたくない」。
これ、責められるものじゃないですよね。むしろ——その人が、ちゃんと“一人の人間として”誇りを持っている証拠です。正直に言うと、私自身、同じことを聞かれたら「いや、できますよ」と見栄を張ってしまいそうですw 誰だって、そういうもの。だから、本人を否定しないであげてください。
でも、それで困るのは——本人なんです
やさしい気持ちは大切にしつつ、ここは知っておいてほしいことがあります。
調査の場で実際より「できる」と伝わると、本当の状態より“軽く”認定されてしまうことがあります。すると、本来受けられたはずの支援(サービスや福祉用具のレンタルなど)が、十分に届かなくなる。——困るのは、ほかでもないご本人です。
誤解しないでください。これは「重く見せる」「ごまかす」話ではありません。“普段のありのままの様子”が、正しく伝わるようにする——ただそれだけ。本人のための、適正な認定のためです。
家族にできること:“普段”を、そっと伝える
本人は調査の場では取り繕いがち。だからこそ、いちばん普段を知っている家族の出番です。
- 普段の様子をメモしておく。「夜は痛みでトイレに3回起きる」「立つとき必ず手をつく」など、いつ・何が・どう大変かを具体的に。その場の“できる”より、日々の事実が伝わります。
- 調査に同席する。本人が「できます」と言ったら、否定はせず、あとで調査員に「ふだんはこういう時に困っています」と事実を補足します。
- 本人の前で“できないでしょ”と言わない。プライドを傷つけてしまいます。メモを渡す・別の場で伝える、で十分です。
💬 伝え方のコツ
本人を立てたまま、事実だけを。「お父さん、いつもがんばってるもんね。——調査員さん、実は夜は痛みでつらそうな日が多くて…」。否定でなく、味方として“普段”を代弁する。これなら、本人の誇りも守れます。
🗣️ りはすけのひとこと
現場でも、調査の日だけ妙にシャキッとする方、本当に多いんですw でも私は、それを「困った」とは思いません。それだけ“しっかりしていたい”という思いがあるということ。その誇りは、リハビリのいちばんの力にもなります。
だから家族にお願いしたいのは、「正してあげる」ことより、「普段のあなたを、ちゃんと見ているよ」と伝えること。事実を伝えるのは、本人を裏切ることじゃありません。本人が、ちゃんと必要な支えを受けられるようにする——それは、いちばんの味方の仕事です。
だから家族にお願いしたいのは、「正してあげる」ことより、「普段のあなたを、ちゃんと見ているよ」と伝えること。事実を伝えるのは、本人を裏切ることじゃありません。本人が、ちゃんと必要な支えを受けられるようにする——それは、いちばんの味方の仕事です。
💬 迷ったら、相談を
認定の手続きや「どう伝えればいいか」に迷ったら、ひとりで抱えないで。担当のケアマネジャー、地域の地域包括支援センター、市区町村の窓口が、無料で力になってくれます。
その一歩は、自分のためというより——本人と、これからの暮らしのため。だから、踏み出す価値があります。
その一歩は、自分のためというより——本人と、これからの暮らしのため。だから、踏み出す価値があります。
まとめ
- 調査で“できます”と言うのは、自尊心・羞恥心=責めなくていい
- でも実態より軽く認定されると、困るのは本人
- これは“ごまかし”でなく「普段を正しく伝える」=適正な認定のため
- 家族は普段の様子をメモ・同席して補足。本人は否定せず、味方として代弁
- 迷ったらケアマネ・地域包括へ。その一歩は、本人のために
この記事は一般的な情報をお伝えするものです。介護認定の制度・手続きの詳細や、個別のご相談は、担当のケアマネジャー・地域包括支援センター・市区町村の窓口にご確認ください。本記事は、ご本人の状態が適正に評価されるための“普段の様子の共有”を目的としています。